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WEBブランディングとデジタルブランディングの違い

ここまで連続で、ブランディングやデジタルブランディングに関わる話題をシリーズでお届けしてきました。デジタルブランディングに近いイメージですが、WEBブランディングという言葉も使われる場面があるので取り上げておきましょう。

WEBブランディングとは

その呼び名のとおり、WEBブランディングは、ウェブサイトやウェブアプリケーションなどを対象としています。私たちの推奨するデジタルブランディング戦略の中では、全体に包含されてしまうのですが、主にWEBサイト上でのブランドコミュニケーションやブランド価値の認知・浸透を強化するために行われます。
以下に、WEBブランディングの取り組み内容についてまとめます。

コンテンツを通じたブランド体験

WEBブランディングは、ウェブ上でのコンテンツ提供やユーザーエクスペリエンスの向上に重点を置いています。サイトのナビゲーション、情報の整理、コンテンツのわかりやすさ、ブランドの独自性などが重要な要素です。

デザインとユーザビリティ

ウェブサイトのデザインやユーザビリティは、WEBブランディングの中で特に重要です。ユーザーがサイトを訪れて直感的に操作でき、ブランドのイメージを受け取ることが求められます。視覚的な一貫性や他社との差別化などに注意を払います。

SEOとコンテンツ最適化

検索エンジン最適化(SEO)やコンテンツの最適化が重要です。ウェブサイトが検索エンジン結果で高く表示されることで、ブランド認知度が向上しやすくなります。

つまりWEBブランディングとは、市場に対するブランド認知、ブランド価値浸透のためのコミュニケーションを、WEBサイト上で行うための手法と言えます。

デジタルブランディングについて

詳細は他の記事をご参照いただくとして、ここではWEBブランディングとの違いを抑えておきましょう。

幅広いプラットフォームが対象

デジタルブランディングは、ウェブサイトだけでなく、ソーシャルメディア、モバイルアプリ、電子メールマーケティングなど、さまざまなデジタルプラットフォームを含みます。ブランドのオンライン上の存在(デジタルプレゼンス)全体をカバーします。

マルチチャネル戦略

デジタルブランディングは、複数のデジタルチャネルを統合した戦略を立案します。各チャネルで一貫したブランドメッセージを伝えることが重要です。

コミュニケーションとエンゲージメント

ソーシャルメディアなどのデジタルプラットフォームは、ブランドと顧客とのコミュニケーションやエンゲージメントを活性化するための重要な手段です。リアルタイムの対話が可能です。

データ分析とパフォーマンス計測

デジタルブランディングでは、各チャネルの横断的なデータ分析を通じてキャンペーンのパフォーマンスを評価し、戦略の改善を行います。データに基づいて戦術を調整できる利点があります。

WEBブランディングとデジタルブランディングの違い

WEBブランディングは主にウェブサイトに焦点を当て、サイトデザイン、ユーザビリティ、コンテンツの最適化を通じてブランド認知/浸透を目指します。
一方、デジタルブランディングは幅広いデジタルプラットフォームでブランドの統合的なブランドの存在を構築し、顧客との緊密な関係構築やパフォーマンス分析に重点を置いています。

WEBブランディングの目的と期待効果

WEBブランディングには多くの期待効果があります。以下に、主な期待効果をいくつか挙げてみましょう。

ブランド認知と認識の向上

WEBブランディングによって、ブランドのアイデンティティやメッセージがウェブサイトやデジタルプラットフォームを通じて効果的に伝えられることで、ユーザーのブランド認識と認識が向上します。視覚的な一貫性や魅力的なコンテンツによって、ブランドの名前や特徴を覚えてもらうことが期待されます。

ブランド価値の伝達

ウェブブランディングを通じて、ブランドの価値観や提供する価値を伝え、ユーザーにブランドへの関心や共感を喚起することを目指します。

ユーザーエンゲージメントの促進と増加

魅力的なデザインやコンテンツ、使いやすいインターフェースを提供することで、ユーザーエンゲージメントが増加します。ユーザーがサイトに滞在し、コンテンツを閲覧したりサービスを利用したりする意欲が高まります。

信頼性と専門性の向上

一貫性のあるデザインと高品質なコンテンツを通じて、ブランドの信頼性と専門性を高めることができます。ウェブサイトが信頼できる情報や価値提供を行う場として認識されるようになります。

ユーザーエクスペリエンスの向上

ユーザーフレンドリーなナビゲーションや使いやすいインターフェースを提供することで、ユーザーエクスペリエンスが向上します。ユーザーがストレスなく情報を探し、目的を達成できることから満足度が高まります。

コンバージョン率の向上

効果的なウェブブランディングによって、ユーザーはブランドやサービスに対して興味を持ち、信頼を築きます。これがコンバージョン率の向上につながり、購買や登録などの行動に結び付けることが期待されます。

競争力の向上

ブランドがオンライン上で魅力的で差別化された存在感を持つことで、競合他社からの差別化が図られます。ユーザーがブランドに対して良い印象を持ち、選択肢として考える際に優位性を保ちます。

データ収集と分析の可能性

ウェブブランディングを通じてウェブアナリティクスを活用し、ユーザーの行動や反応を分析することが可能です。これに基づいて戦略の改善やコンテンツの最適化を行い、効果的な方向へ調整します。

WEBブランディングのプロセス

WEBブランディングのプロセスは、ブランドの特定の目標やニーズに基づいてカスタマイズされる場合もありますが、一般的なステップを以下に示します。以下のプロセスは参考としてご利用いただければと思います。

ブランドの理解と分析

最初のステップでは、ブランドのアイデンティティ、目標、ターゲットオーディエンス(ビジネスの対象となるサイトへの訪問者)などを明確に理解します。これには、ブランドのミッション、ビジョン、バリュープロポジションの定義、競合他社の分析などが含まれます。

ウェブ戦略の策定

ブランドの目標とターゲットオーディエンスに基づいて、ウェブ戦略を立案します。ウェブサイトが果たすべき役割、コンテンツ戦略、ユーザーエクスペリエンスの要件などを明確にします。
理念や信念を大声で叫ぶだけでは、オーディエンスはなかなか振り向いてくれません。彼らの関心に合わせ、ブランド価値を理解していく道程を描くことが重要です。

表現コンセプト(体験コンセプト)の検討

ブランドの核となるアイデンティティや価値観を踏まえて、ウェブサイト上でのユーザー体験のコンセプトを検討します。ユーザーがサイトを訪れた際にどのような感情や印象を受けるべきかを明確にし、それを視覚的・感情的な要素として表現します。

デザインやコンテンツの品質を評価する基準となるのがコンセプトなので、納得のいくところまで磨いていきしましょう。

デザインとコンテンツの開発

ウェブサイトのデザインとコンテンツを開発します。ブランドのアイデンティティに合致する視覚的要素をデザインし、価値あるコンテンツを作成します。ここでは、ユーザビリティやブランドの提供価値との一貫性を保つよう、細心の注意を払います。

テキストコンテンツはSEOにも留意して、トピックの構成や自然なキーワードの配置を考慮します。

ウェブサイトの構築

デザインとコンテンツが完成したら、ウェブサイトを構築します。HTML、CSS、JavaScriptなどの技術を使用して、ウェブページを作成し、必要な機能やインタラクティブ要素を統合します。読み込みや表示速度に気をつけながら、インタラクションやアニメーションを駆使して、体験価値の高いサイトを目指しましょう。

ユーザビリティのテスト

ウェブサイトのユーザビリティを確認するために、テストを行います。ユーザーがサイトをどのように使用するかを模擬し、使い勝手や問題点を特定して改善します。

また、ブランドの提供価値や世界観が適切に表現されているかも確認します。

オンラインプレゼンスの最適化

ウェブサイトが公開されたら、定期的にコンテンツを更新し、最新の情報を提供します。検索エンジンにサイト内のコンテンツが認識されたら、SEO対策を実施して検索順位を向上させ、ユーザーがサイトにアクセスしやすくします。

データ分析と改善

ウェブアナリティクスツールを使用してサイトのトラフィック、ユーザーの動き、コンバージョン率などを分析します。得られたデータに基づいて戦略やコンテンツを最適化し、ブランドのオンラインプレゼンスを向上させます。

継続的な改善

WEBブランディングは一度だけではなく、継続的なプロセスです。ウェブサイトの成果をモニタリングし、変化するブランドのニーズや市場動向に対応するために、定期的な改善と更新を行います。

WEBブランディングが適用される場面

コーポレートサイト

企業のコーポレートサイトは、企業のブランドアイデンティティやビジョンをオンライン上で表現するための重要なプラットフォームです。WEBブランディングを通じて、企業の使命や価値観を伝え、顧客や投資家にブランドへの共感や信頼を築くことができます。

ブランドサイト

特定の商品やサービスを中心に据えたブランドサイトでは、その商品やサービスの特徴や付加価値をユーザーに伝えるためにWEBブランディングが活用されます。顧客がそのブランドに対してどのような感情やイメージを持つかを形成し、強化します。

プロダクトランディングページ

新製品や特定のキャンペーンを紹介するランディングページも、WEBブランディングが適用される場面です。ここでは、ユーザーに製品やキャンペーンの特長をわかりやすく伝え、行動(購入、登録など)を促進するデザインやコンテンツを展開します。

ブログやコンテンツサイト

ブログやコンテンツサイトでは、ブランドの専門知識や価値提供を通じてユーザーとの関係を深化させることが重要です。WEBブランディングは、コンテンツのデザインや配信方法によって、ブランドの専門性や信頼性を高める手段として活用されます。

WEBサービスプラットフォーム

SaaS(Software as a Service)で提供されるサービスもWEBブランディングの適用範囲に含まれます。SaaSはクラウドベースのソフトウェアサービスを指し、ウェブ上でアクセスできるため、ブランディング戦略を通じてユーザーエクスペリエンスやブランド認知を強化することが重要です。

Summary

WEBブランディングの効果は、ユーザーとの深い関係構築、信頼性と専門性の向上、顧客満足度の向上、競合他社からの差別化、戦略的なデータ分析による持続的な改善などです。効果的なWEBブランディングによって、ブランドはオンライン上で魅力的な存在感を持ち、顧客との結びつきを強化し、市場での地位を強化します。
WEBブランディングを適切に行っておくと、その後のデジタルブランディングの拡張や強化がよりスムーズに行えるメリットがあります。
つまり、WEBブランディングはデジタルブランディングの基盤となる重要なステップです。良好なウェブプラットフォーム上でのブランドの構築は、将来的なデジタル展開を支え、ブランドの一貫性と強さを確保する役割を果たします。